ホーム >心臓病をよく知ろう>低栄養になっていませんか?

心臓病をよく知ろう

最近、「低栄養」という言葉が話題になっています。皆さんもテレビや新聞などで、この言葉を聞かれた方も多いと思います。これは主に高齢者の方々が日頃の食生活をおろそかにしている(あっさり系の食事で済ませる)と、血液検査で血清アルブミンが低くなり、様々な疾患を起こす原因になるという状態です。一般的には、血清アルブミン値は、4.0g/dL 以上あれば正常なのですが、3.5―3.9g/dL の方を「低栄養予備軍」、3.5g/dL 未満の方を「低栄養」と呼んでいます。もちろん、特殊な病気によってアルブミン値が低くなることもありますが、多くの場合、食生活の影響を受けることが多いのです。 これまで、若い頃にコレステロールが高いと言われ、肉や魚などの良質な動物性蛋白質を控えていた人が、高齢になっても同じように動物性蛋白質を控えて、三食ともあっさりしたものしか食べない食生活を続けていると、知らない間に「低栄養」になってしまうのです。この「低栄養」状態が長く続いてしまうと、①免疫力が低下して、癌や感染症になり易い。②血管が脆くなって、脳出血などの出血性疾患になり易い。③骨が脆くなって、骨折し易い・・・など、様々な病気を起こして、最終的には「寝たきり」の状況になり易くなってしまいます。 私たちが昭和33年から経年的に行っている福岡県田主丸町での住民検診の結果では、「低蛋白、低アルブミン血症の方々は、脳出血になり易い」ということが報告されてきました。また、平成11年に同地区で行った住民検診の受診者を最近(平成26年7月)まで、15年間追跡した調査では、平成11年に採血した血清アルブミン値が低い人ほど有意に死亡者が多く、脳・心血管障害、悪性腫瘍、肺炎などの感染症で亡くなる方が明らかに多いという結果が得られました。 今、日本では生活習慣病の方が多く、肥満やメタボリック症候群が問題になっています。しかし、これは若い方や中高年の方々に関連する病態です。高齢者(特に75歳以上の後期高齢者)になって来ると、これまで通りの食生活を続けていても、自然に痩せてきて、血液中のコレステロールも下がってきます。従って、高齢者になっても、控えめなあっさり系の食事を続けて行くと、いつの間にか恐ろしい病気にかかってしまうことがあるのです。 もちろん、暴飲暴食はいけませんが、栄養のバランスを考えて良質な蛋白質を取るように心掛けて下さい。主治医に相談して、定期的に血液中のアルブミンを測定することをお勧めします。