ホーム >心臓病をよく知ろう>たかが脈拍、されど脈拍

心臓病をよく知ろう

血圧が高いと、脳卒中や心臓病にかかり易いことは皆さん御存じのことと思います。しかし、脈拍が多い人ほど心臓病で死亡する人が多く寿命が短いことを御存じでしたか。お医者さんも血圧は必ず測られて高いと気をつけるように言われると思いますが、脈拍を測ることや脈拍が多いと注意する先生は少ないかも知れません。
動物では、ねずみなどの小さな動物は、脈拍が1分間に600回くらいあり、寿命も短いですが、象やクジラは脈拍が少なくとても長生きなのです。つまり、脈拍と寿命は反比例すると言われており、ヒトでも同様のことが言われています。
米国のデータでは、有名なフラミンガム疫学研究で、男性の脈拍は65~74回で最も心血管死が少ないと言われており、女性では脈拍が少なければ少ないほど心血管病で死亡する人が少ないことが分かりました。日本でも循環器疾患基礎調査に参加した30歳以上の約8,800人を対象に16.5年間追跡した結果では、男性で1分間に74回以上、女性で78回以上の脈拍の人は、60回未満の脈拍の人より明らかに心血管死が多いことが分かりました。 また、福岡県田主丸町で定期的に行われている住民検診の結果から、男性では脈拍が60-69回のグループの人が最も長生きであることが示されています。さらに、この住民検診では、脈拍が1分間に80回以上のグループでは、60回未満のグループに比べて、20年後に肥満になる危険度が2.3倍以上で、糖尿病になる危険度は、5.4倍も高いことが示されました。つまり、脈拍が多いと将来はメタボリック症候群になる恐れがあることを示しているのです。
このように脈拍は血圧の陰に隠れてあまり目立ちませんが、意外に多くの情報を持つ大切な因子であることを忘れないで下さい。御自分で脈を測ってみることはいつでも道具なしで出来ますし、心配な方はかかりつけの先生を受診した時には、脈拍が多くないかどうかも尋ねてみて下さい。